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初期の美味しんぼは面白いと言う話

ポエム
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Koji Sugimoto
Koji Sugimoto

一日一話の美味しんぼ

 一世を風靡したグルメ漫画である美味しんぼは、1990年代にアニメ化されている。 AmazonPrimeで見ることができるので、夕食を食べながら見るのが最近習慣になった。 リアルタイムで見ていた世代ではないのだが、幼少期に漫画を読んでいたため、話は大体覚えている。漫画の方はしばらく前に終わってしまったが、終わり方がよろしくなかったので、あれほど長く続いた作品にもかかわらず、良い話題にはならなかった記憶がある。

 美味しんぼは80巻くらいまでは確か読んでいたのだが、なんと言っても初期から中期(山岡が結婚するくらいまで)が面白い。 アニメは大体30巻くらいまでの話なので、まさに美味しんぼの最高に面白い部分ばかりなのである。

 美味しんぼ切っての強キャラといえばやはり海原雄山だが、初期の雄山は作者がどう言う路線でいくか決めかねていたのか、なかなかどうしてキャラがぶれている。中盤以降は付け入る隙のないほどの完璧超人キャラとなる雄山先生だが、序盤はそれなりにヘマをやらかしている。

 特にこの話などはもはやただのわがままな子供である。それ以外にも士郎が作った料理をそうと知らずに「この料理を作った料理人に会いたい」と言って厨房に行ったかと思えば、士郎の顔を見て「こんなものはうちの下っ端でもできることだ」などと言う始末である。キャラが立っていなかった頃とはいえ、中盤以降の雄山であれば、素直に謝るのではないか。

 アニメの特徴といえば、それ以外に栗田がとても可愛く描かれていることが挙げられる。 私服のセンスなども、今見てもとても良いし、作画も他の女性キャラと比べて一段も二段も気合が入っているように感じる。アニメでは山岡との関係がロマンスに発展することはないはずだが、OPもEDもいずれも山岡と栗田の関係が意味ありげな形で描かれている。この頃のアニメは何かと主人公をメインヒロインとくっつけようとしていた気もするが。

 基本的に一話完結物であり、山岡の啖呵が気持ちい作品であるため、ちょっとした時間の隙間で見るにはとてもおすすめの作品である。最初は山岡に食ってかかっていた強情なおじさんたちが、山岡にどんどんわからされていくのは見ていて痛快である。ぜひ、水戸黄門を見るような気持ちで見ることをお勧めする。

 きっと、究極のグルメドラマを自負するだけのことはあるはずだ。